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閉経後の体と心にやさしく寄り添う 〜GSM(閉経関連尿路生殖器症候群)と鍼灸の視点〜
閉経後の体と心にやさしく寄り添う 〜GSM(閉経関連尿路生殖器症候群)と鍼灸の視点〜
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、施術の効果を保証するものではありません。
「最近、デリケートゾーンの乾燥やかゆみが気になる」「トイレが近くて夜中に何度も起きてしまう」——そんな小さな違和感を、日々の忙しさの中で見過ごしていませんか?
これらは、閉経後の女性によく見られる自然な変化のひとつで、医学的には『GSM(閉経関連尿路生殖器症候群)』と呼ばれています。GSMは、女性ホルモン(エストロゲン)の低下によって生じる、膣や尿道まわりの不快な症状をまとめた名称です。
たとえば、膣の乾燥感やかゆみ、性交時の痛み、頻尿や尿漏れ、排尿時の違和感などが主な症状です。これらは身体的な負担だけでなく、精神的にも不安や孤独感を生じさせることがあります。
「年齢のせいだから仕方ない」と我慢する方も多いですが、まずは「ひとりで抱える必要はない」ということを知っていただけたらと思います。
西洋医学では、こうした症状に対してホルモン補充療法(HRT)や局所エストロゲンの塗布、保湿剤の使用、または骨盤底筋のトレーニングなどが推奨されます。これらの方法は、医師の診断のもとでその方に合った方法が選ばれます。
一方、東洋医学ではGSMの症状を「腎」の衰えや「陰虚」「気虚」といった体質的な変化としてとらえ、体全体のバランスを整えることで内側から潤いと巡りを取り戻すことを目指します。東洋医学的視点では、心と体は切り離せないものとして見つめます。
鍼灸では、三陰交(さんいんこう)・腎兪(じんゆ)・関元(かんげん)などのツボを体質や症状に合わせて選び、やさしく刺激を加えることで、エネルギーの巡りを整えていきます。特に、体の冷えや疲れやすさ、心の落ち込みなどを感じる方には、全身をゆるやかに整える鍼灸が選ばれることもあります。
当院での施術はすべて、国家資格を持った鍼灸師が行っております。施術前には、その日の体調や気になる症状、ご不安なことについて丁寧にお話を伺い、無理のない範囲で安心して受けていただける施術をご提案しています。
「薬だけに頼らず、自然なかたちで体を整えていきたい」「誰にも相談できない悩みを、少しでも軽くしたい」——そんな思いに、私たちはそっと寄り添いたいと考えています。

